機関紙建設なんぶ

機関紙建設なんぶ2012年12月10日号

建設アスベスト訴訟・東京地裁判決勝利!
国の責任を明確に認める画期的判決


勝訴の旗出し

勝訴の旗出し

2008年5月の提訴以来、組合が署名活動などで支援をしてきた『首都圏建設アスベスト訴訟』の判決が12月5日に東京地裁で言い渡されました。
  建設現場で建材に含まれたアスベスト(石綿)にさらされ、肺がんや中皮腫など、深刻な健康被害を受けた首都圏の建設労働者(東京土建の仲間も含む)や遺族337人が、国と建材メーカー42社(クボタ、ニチアスなど)を相手に謝罪と賠償などを求めてきた訴訟です。 
  始関正光(しせきまさみつ)裁判長は、「1972年(昭和47年)頃にはアスベストが重篤(じゅうとく)な疾患を発症させる危険性を認識しており、遅くとも1981年(昭和56年)時点でマスク着用の規制を強化すべきだった」として国の責任を認め、原告170人について総額10億6,394万円の賠償を国に命じました。
  一方、(当時、屋外での石綿粉じんの危険性についての知見がなかったとして)屋外のみで作業していた人や、(国に責任があるとした起点となる)1981年以前に働いていた人、(国の規制の対象となる労働安全衛生法上での労働者にあたらないとして)個人事業主(一人親方)や零細事業主など150人の請求は棄却しました。
  また、「どこのメーカーのどの製品が被害の原因になったのかを特定できない」などとして、石綿建材メーカーの賠償責任を認めませんでしたが、「メーカーが何の責任も負わなくていいのかとの疑問がある」「立法府(国会)と行政当局が補償のあり方について真剣な検討するよう望む」との異例の"コメント"をつけ、メーカーを「断罪」し、国会や国に対応を促しました。
  今回の判決は、「半数近くの原告について国の賠償責任が認められなかった」など不十分の点がありますが、最大のアスベスト被害を出している建設現場における国の責任(『規制権限の不行使』)を初めて認めた画期的な判決となりました。
  判決翌日の新聞各紙は、「労働者の生命・健康に配慮した司法判断。国などはさらなる救済策や安全対策の一層の強化が課題となりそうだ」(日経)、「現在、石綿の健康被害に対する補償は、労災保険と石綿健康被害救済法があるが、不十分だとの声は強い。国やメーカー、建設業者は新たな救済策を早急に検討すべきだ」(読売)、「原告側は、建材メーカーや元請けゼネコンが加わり、患者への賠償基金を作るよう国に求めている。それぞれの当事者は判決の指摘を重く受け止めるべきだろう」(朝日)など、原告の主張を後押しする論説を掲載しています。
  今回の訴訟の対象となる患者308人のうち199人が亡くなっており、2008年の提訴後だけで59人が死亡しています。原告患者は「命あるうちの解決」を求めています。判決で、国の責任が明確となり、メーカーが断罪された以上、国とメーカーは早急に、謝罪と賠償、すべての被害者の完全救済とアスベスト被害の根絶のための取り組みを行うべきです。

投票は要求実現の第一歩 棄権せずに投票しよう
【堀部忠次執行委員長】


今年一年の締めくくりとなる12月は、突然の石原都知事の辞任による東京都知事選挙と、野田首相の「突然解散」による衆議院議員選挙が重なり、年の瀬の忙しいなかでのダブル選挙(12月16日)となります。
  現在、私たちを取り巻く情勢は、国の内外を問わず、多くの問題が山積し、解決できない事柄をひとつひとつ取り上げたら切りがありません。そして、長引く不況・デフレは、私たちの仕事や暮らしを圧迫し続けており、「早く明るい明日が迎えられる安心して暮らせる世の中にして欲しい」と思い、願っている多くの仲間がいます。
  今回の選挙は、私たちの将来、明日を託す都知事と国会議員を選ぶ、都政と国政選挙となります。私たちの願いや家族・仲間の希望を叶え、私たちの立場を都政に反映し、実感できるようにするためにも、都民・国民の権利である大切な一票の投票権を行使することを訴えます。
  組合員・家族の皆さんの「思想信条の自由」にもとづく一票を行使してください。参政権・投票できる権利を放棄することなく、信ずる候補者に、信ずる政党への投票を訴えます。

2013年 東京土建港支部
「旗開き」開催のお知らせ
(新春のつどい)


2012年は、春・秋の組合員拡大月間で10年連続での支部目標を達成し、特に秋の月間では、支部5%目標、年間13%目標、全分会目標、年間増勢の四冠を達成しました。2013年を更なる飛躍の年とするために、以下の通り「旗開き」を開催します。お誘い合わせの上、ご参加をお願いします。

[と き] 2013年1月18日(金)
          午後6時開場、午後6時30分開会

[ところ] 乃木會館(港区赤坂8-11-27)
          東京メトロ千代田線「乃木坂駅」(1)番出口より徒歩1分
          都営大江戸線「六本木駅」(7)番出口より徒歩10分

[会 費] 組合員・ご家族 1人3,000円(小学生以下は無料)

[申し込み] 支部・分会役員に会費を添えてお申し込みください

[締め切り] 2013年1月9日(水)まで