機関紙建設なんぶ

機関紙建設なんぶ2012年01月10日号

年頭のごあいさつ
執行委員長 堀部忠次


写真

あらたまの年の初めにあたり、ごあいさつ申し上げます。
  まず、あらためまして、東日本大震災の犠牲者の御霊に謹んで哀悼の誠を捧げるとともに、被災者の方々にお見舞い申し上げます。 
  震災でご家族や御親類を亡くされた組合員もいます。また、被災地の仲間は、道具類一切を津波で流されました。
  東京土建は、組合員数12万の全国最大の建設労働組合として、社会的使命を果たすべく、全国建設労働組合総連合と連携し、組合員とご家族から寄せられた義援金や道具類を被災地の仲間に届けてまいりました。浄財や道具類を寄せていただいた皆さまに感謝申し上げます。
  さて、このたびの震災を契機に、あらためて、安心・安全な家づくり・街づくりのため、それを担う私たち建設業従事者が、しっかりしなくてはならないと、心を新たに致しました。
  ガレキ撤去・土壌汚染処理等の復興需要でスーパーゼネコンの業績が上向いている一方、東北以外の地域での公共工事が縮小している上に低入札競争が続き、民間需要も期待薄の状況(『週刊東洋経済』12月3日号)では、現場で家づくり・街づくりを担う私たちの仕事と暮らしが良くなる兆しは見えず、頑張りたくとも頑張れない状況が続いています。
  また、TPP(環太平洋経済連携協定)については、医療と農業分野に焦点が当たっていますが、国内産業である建設業にも多大なる影響を及ぼすものと考えています。米国の資本と労働力が日本に押し寄せ、日本の中小建設業者を駆逐してしまうことを危惧します。
  消費税増税論議と、年金・医療などの社会保障総改悪による(東京土建国保廃止の方向に向かう)「国保一元化」論も持ち上がっています。
  低単価・低賃金の上、工期短縮による過重労働で若年者の建設業離れが進み、また、仕事不足によりベテランが廃業・転職を余儀なくされる中、生活を直撃する消費税増税など私たちが立ち向かう課題が、山積しております。
  東京土建は、「労働者の基本的人権を守り、経済的、社会的、政治的地位の向上をはかる」(組合規約第5条)ことを目的とする建設労働者の労働組合です。この目的達成のために、春・秋の大手企業交渉、組合共済や東京土建国民健康保険、その他各種事業に取り組み、アスベスト被害者救済などの諸運動を行っています。
  このような様々な事業の維持・運営、組合の諸運動の推進のためには、組合員とご家族の皆さんのお力が必要です。
  どうぞ本年もご協力をお願い致します。また、皆さまからの要望等ございましたら、お寄せください。

若手役員の抱負

 

写真

建設アスベスト訴訟で公正判決を
  【近藤直樹常任執行委員・石工事】港支部の常任執行委員(労働対策部長)と所属の新橋分会で財政部長を務めております。
  仕事は、墓石工事です。東北地方の墓地のことを聞きますと、相当数の墓石が地震と津波で倒れ、墓石自体は自重があるので、その場に留まりますが、お骨が散逸してしまったそうです。心が痛みます。
  さて、労働対策では、労働安全衛生の推進、アスベストを原因とする病気などの「職業性疾病」の疑いのある組合員とご家族に、専門病院への受診を呼び掛けることなどをしています。目下のところは、「首都圏建設アスベスト訴訟」で、公正な判決が下されるよう、署名活動などの支援に力を入れています。
  この訴訟は、現場でアスベストを吸い込んだことで肺ガン等を発症した組合員や遺族などが、アスベストの危険性を知りながら、使用禁止措置をとらなかった国と、製造し続けたメーカーに対して、謝罪と賠償、すべての被害者の救済のための基金創設などを求めて、2008年に東京地裁と横浜地裁に提訴したもので、今年1月に横浜地裁で結審(審理が終わる)、4月に東京地裁で結審する予定です。
  388人の原告の内、すでに200人以上の方が亡くなられています。原告の命のあるうちに、公正な判決が下されるよう、皆さん、ご支援をお願い致します。

現場で打合せ中の清水さん(右)

現場で打合せ中の清水さん(右)

バイクの感覚活かす
  【清水弘之常任執行委員・管工事】今年の私の目標は、健康第一はもちろんですが、生涯現役職人で通す為には、今後どのような対策で臨むのかをジックリ考える一年としたいと思っています。仕事がイヤな訳ではないので、体が続く限り現役で働くことに、何の苦もありません。
  体力の維持は、トレーニング次第で、どうにかなりそうですが、問題は、年と共に衰える反射神経・瞬発力・とっさの判断力です。日常の生活上、これらをトレーニングするチャンスはなかなかありませんが、 私は次の方法でトレーニングしております。
  私の方法は、オンロードバイクでのツーリングや、オフロードバイクでの林道ツーリングです。バイクに乗る時の緊張感は、足場の上の緊張感とよく似ています。その度合いは、ほぼ同等と言えるでしょう。また、現場仕事もバイクも、雨の日や夕暮れの暗い時は要注意となります。
  体の調子を保ちつつ、適度の緊張感を持ちながら、しっかり先を見据えながら、今年も邁進してまいります。

室内塗装中の出井さん

室内塗装中の出井さん

頼りになる組合仲間
  【出井章史常任執行委員・内装】自然災害の恐ろしさを体験させられた昨年は、私達の建設業界にも数多くの大きな問題が投げかけられた一年となりました。本年は改めて、日本の自然に調和する建造物が求められて行く節目の年ともなります。
  私は、日々の組合の活動やイベントで皆さんとお会いする以外は、現場で各種仕上げ工事に従事しています。時には、何カ月にもわたる大きな改修工事もあります。係わる職種も大工・左官・設備等多種になります。専門知識と卓越した技術が必要となり一人ではこなせません。そんな時は、港支部の先輩や仲間がたよりになります。
  建築のイロハを教えてくれるSさん、耐震や専門知識を相談できる建築士のKさん、このたび仕事でお世話になった左官業のKさん、何かと相談できるHさん・・・。気がつけば、現場は港支部の先輩や仲間ばかりです。時には、他支部所属の職人さんもいて、東京土建の人ばかり。組合未加入者を見つけるのが難しいほどです。
  本年も港支部みんなで龍の登る様、力強い一年にしましょう。

剪定中の戸田さん

剪定中の戸田さん

「伝えあい」で前進を
  【戸田義生常任執行委員・造園】3月11日に起きた東日本大震災によって、大勢の人達が少なからず影響を受け、いまだに元の生活に戻れない人達がいらっしゃると思います。
  私の仕事も厳しくなっていますが、明日は今日より良くなる、と思って、頑張っています。
  東京土建港支部では、2年前から厚生文化部長(主に組合共済や演劇などの文化事業の利用推進役)を務めさせて頂いております。
  支部の厚生文化部長になった頃に本部の会議に行った時の話です。
  本部の厚生文化部長が、「共済は、昔、イギリスのパブの常連の労働者たちが、飲み仲間のケガや病気や失業に対して、カンパを出し合ったことから始まった」という話をされました。
  私は、ラグビーを見るのが好きですが、ラグビー選手がよく言う「ONE FOR ALL,ALL FOR ONE」とまったく同じなんだと思いました。
  ラグビーといえば、ボールを前に投げてしまったら、反則です。後ろ、後ろ、と渡して、前に進んでいかないとトライできません。
  会社でも、サークルでも、町内会でも、組合でも、先輩方が後輩の私たちに、私たちから後に続く世代に、いろんなことを伝えていくことではじめて前進できるのだと思います。皆さん一人一人が抱負をお持ちだと思います。前へ前へ進んでいきましょう。
  最後になりますが、皆さまのお蔭で、昨年秋の「火災共済・自動車共済推進月間」は、目標を達成することができました。ありがとうございました。今年も春・秋に取り組みますので、よろしくお願い致します。
 

主婦の会


丸のこ教育実技に取り組む受講者

自然とふれあうイベント企画したい
  【佐藤民子主婦の会会長】「港支部主婦の会」の会長になって2年目の昨年は、東日本大震災の影響の自粛ムードのため、バザーで参加していた「みなと健康まつり」が中止になったり、イベントへの参加者がなかなか集まらなかったり、スタッフも少なく活動をするうえで困難な状況が続きました。
  私の体調や家族の事にもいろいろな問題が起こり、それを乗りきるだけで精一杯でした。役員の皆さんの協力なくしてはどうにもならなかったと思います。
  今年はなるべく早めにイベントをお知らせして、多くの方に参加していただけるように、また会員の皆さま方がお互い顔見知りになれるように工夫したいと思います。
  一昨年に行ったアンケートでは、多くの方が「親子で自然とふれあうイベント」を希望していました。昨年は実施できませんでしたが今年こそはぜひ企画したいと考えています。 
  皆さまのご協力、お願いいたします。良いアイディアがありましたら、お寄せください。
  ※主婦の会は、東京土建に加入されている組合員のご家族(女性)と女性組合員ならどなたでも加入できる女性の団体です。独自の料理教室やイベントを開催しています。

福寿会


丸のこ教育実技に取り組む受講者

会員同士の話の輪が広がる一年に
  【大澤良夫福寿会会長】「福寿会」の皆さん、昨年の催し物に大勢の方に参加して戴きありがとうございました。今年も催し物をやって行きたいと思います。
  今年は、福寿会で一泊の催しをやってみたい、と思っております。実現しましたら、ぜひ、ふるって御参加下さい。皆さんの中で、「この辺が良いなあ」と思う方がいましたら、一声掛けてください。
シニア世代の集まりとはいえ、現役で働いている人も大勢居ます。老人と思わず、毎日を元気に過ごして、福寿会の催しに参加し、話の輪を作りましょう。
  今年も楽しく生きましょう。福寿会ガンバロー。
  ※福寿会は、65歳以上の組合員ならどなたでも加入いただける会です。独自の行事などを行い、会員相互の親睦を深めています。

分会事務所が完成
伊豆大島の活動の拠点に


完成した大島分会事務所

完成した大島分会事務所

 【井坂秀和・大島分会書記長】「大島分会事務所」建物(大島町北の山182‐1)の追加工事が2011年8月に終わりました。
  今回の工事で、西側の外壁に、窓が二つ付き、風通しが良くなり、内装や水洗トイレ(今までは、屋外に設置した仮設トイレを利用)、洗面所、玄関周りも整備されました。
  水回りとトイレが完備されたので、とても使いやすい事務所になり、電気ケトルを使ってお茶やコーヒーを出せるようになりました。
  現在、平日の午後4時過ぎから約1時間、不十分ではありますが分会事務所に常駐するようにしています。
大切な港支部の財産として、管理を怠ることなく、今後、伊豆大島の活動の拠点となるようにしていきたいと思います。
  事務所建設にご支援いただいたみなさまに、あらためて感謝申し上げます。ありがとうございました。