機関紙建設なんぶ

機関紙建設なんぶ2011年03月10日号

東日本大震災 被災地支援の取り組み開始

 

右から磯田さん、施主の林様、三井田分会長、組合員の三田さん

新橋にあるビル。3月11日の地
  震で傾き、隣のビルと接しました。
  万一のとき、耐震強度を満たさな
  いビルなどの倒壊により、避難経
  路や緊急車両の通路を確保でき
  なくなります。
  既存住宅・建築物の耐震化が必
  要です。
  「安心・安全なまちづくり」を担う
  建設技能・技術者集団として、こ
  の間、港支部は、港区に対して、
  耐震助成制度の拡充を要請して
  きましたが、今後も要請行動を強
  めていきます。

3月11日の震災で、ご親類、知人を亡くされた港支部組合員もおり、あらためまして、亡くなられた方々への哀悼の意を捧げるとともに、被災された方々にお見舞いを申し上げます。

 震災直後、港区内では、ビル内から飛び出してきた人たちが路上にあふれる光景が見られました。また、当日は、午後4時ごろから、帰宅する会社員が目立ちはじめ、港支部事務所(港区芝)近くの「第一京浜国道」は徒歩で帰宅する人たちで混雑し、道沿いのスーパーやコンビニエンスストアの食料品棚は時をまたず空っぽになりました。
 地震当時、PHSの基地局設置作業中だったという組合員は「電線が大きく揺れた。安全帯をつけていたが、安心できなかった」といいます。
 震災後、組合員の皆様より、
●宮城県在住の親類が亡くなった
●福島にある妻の実家が使えなくなった
●自宅の天井が落ちた
●自宅のタイル数枚が割れた(都営住宅)
●岩手県の親類と連絡がとれない
●ケガをした人はいなかったが、看板が落下し、ビルの玄関先に止めていた車を直撃した(港区三田)
●(新橋の)自社ビルの4階内壁が落ちた。近くのビルが傾き、立ち入り禁止になっている。福島の知人が亡くなった、と聞いた。自宅は埼玉だが、昨日帰ったら(計画停電で)停電していて、マンションなので、水が汲みあげられずに困った
●実家が浦安市。道路が沈下し、家の土台が盛り上がった
●近所の小学校のプールの水が、地震の揺れで飛び出した
●カタログを納めたラックの上に乗せていた置物が落ちた
などのお話をうかがいました。
 港湾関係者の話によると、東京港のコンテナバース(コンテナ船が接岸し、荷役を行うところ)では、積み上げられたコンテナが崩れ、積み直すのに大変な労力を費やしたそうです。瓦が落ちた家が散見されるなど、都内の被害も無視できません。
 損壊した施設や家屋の補修などで、仕事が忙しくなっている組合員がいる一方、鉄筋・電線・断熱材・塗料・コンパネ・ユニットバス等の供給不足で、資材価格高騰や工事がストップするなどしており、組合員の仕事や暮らしへの影響が懸念されます。塗料が入らないため、「足場かけ」で当面しのいでいる塗装業の組合員もいます。

右から磯田さん、施主の林様、三井田分会長、組合員の三田さん

ビル前に停めていた車に、落下した腰板が直撃
   (港区三田)

今回の震災に対して、全国最大の建設労働組合としての社会的使命を果たすため、東京土建は、募金や被災地ボランティアの募集などの支援活動を開始しています。
 港支部も本部の要請に対応し活動していきますので、組合員の皆様のご協力をお願いします。
 当面、(1)義援募金の取り組み、(2)被災地へ送る道具類の提供呼びかけ、(3)被災地ボランティアの募集を行います。